知ることでパラダイムシフトを起こす

本書をここまで読んで、他者を信じないためにはどうすればいいのか? と思っている人もいれば、信じないという選択は、人間味がなくて寂しいと感じてる人もいるだろう。

それもそのはずで、現代では信じることは、美しいことだと美化されているし、信じるという言葉は、多用されている。ただ、本書をここまで読んだなら、その思想をアップデートしてほしい。

そのためには、まず知ることが大切になる。知ることでパラダイムシフトが、起こることは多々ある。例えば、16世紀のコペルニクスの地動説も、パラダイムシフトを起こすことで、真実へたどり着いた。

地動説は、学校の授業で習っているので、覚えている人も多いだろう。この地動説が唱えられる以前は、数百年にわたって、天動説が常識とされ、浸透していた。天動説は、宇宙の中央は地球とし、惑星が地球の周りを回っているとされていた。

その長年の常識を、オランダの天文学者コペルニクスは、地動説を唱えて覆した。地動説は、天動説とは反対で、宇宙の中心は太陽であり、地球がその太陽の周りを回っている惑星だという説だ。

この地動説で、世界中の人にパラダイムシフトが起きた。パラダイムシフトの意味が、分からない人もいるかもしれないので、ここでパラダイムシフトの意味を伝えておく。パラダイムシフトは「当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう」とWikipediaに記載されている。

天動説の頃は、世界中の人は、地球が中心だという認識で生きていた。しかし、地動説で、その認識であったり、価値観は劇的に変化した。これは地動説を知ることで、世界中の人にパラダイムシフトが起きたということだ。

もう一つ、身近な話を例にあげてみる。例えば、あなたが友人と映画を観る約束をしていて、現地で待ち合わせをしていたとする。しかし、上映10分前になっても、友人と連絡が取れない。そして、上映3分前に友人から「今日は行けない」と連絡があった。このように直前になって、予定をキャンセルされれば、多くの人は苛立ちを感じるだろう。

しかし、友人が待ち合わせ場所に向かう途中で、交通事故にあって、病院に搬送されたことを知らされれば、その苛立ちは、すっと消えてしまうはずだ。これもパラダイムシフトであり、友人が直前で、予定をキャンセルした理由を知ることで、思考が一転している。

このように、パラダイムシフトを起こすには、まずは知ることが大切である。何事も知ろうとしなければ、人生に変化が起きるわけがない。なので、まずは、信じることで人生を窮屈にすることもある、という事実を知って、それを素直に受け入れてほしい。

チームでは信じるという言葉を、うまく使うことで統制させる。しかし、自由を尊重している個々の間では、信じることはリスクが大きいというのは、紛れもない事実だ。

『我慢と忍耐を魔法の言葉に変える』『信じない勇気』などの著者。コンテンツ プロデューサーとして、小さな経営の仕組みをつくる仕事をしています。年商1億規模、メルマガ読者累計4000名超え、500人を超える個人、経営者に仕組み創出コンテンツ制作、マーケティングなどを指導して現在も実力者を多数輩出。また教育事業、輸入事業、リサイクル事業の経営者でもある。

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