将来に希望が持てない ー 2つの理由と対策 ー

「どんなに働いても将来に希望が持てない」「将来に希望がもてなくて絶望的だ」と悩みを抱える20代が増えています。生活することでいっぱいなのに、将来の希望も見えない、そんな切実な思いをしているのに理解されることもない、どこにも行き場のない思いをしていませんか?

自分はダメなやつだと否定感に襲われている人もいるでしょう。しかし、この状況は何もあなたが悪いわけではないのです。この記事では、その理由を3つ書いていきます。その理由を知れば、間違った自己否定感を取り除くことができます。

あなたが一生懸命生活をしているというのに、働けばどうにかなるとか、気持ちが弱いとか言われていれば、やる気は無くなってしまいますよね。

そんな悪影響を変えるために、なぜこのような状況になったのかを一緒に考えていきましょう。理由がわかれば対策ができます。そして前進のきっかけになれればと思います。

【—このページの目次—】
1.将来に希望が持てない理由は時代だ
2.将来に希望が持てない人の豊かさの誤解
3.大人に必要な将来に希望が持てない人への理解

将来に希望が持てない理由は時代だ

今ワーキングプアが若者を中心に増加しています。ワーキングプアが理由で、生活をするのにも大変な状況なのです。その過酷な状況が将来に希望を持てない人を作ったのです。

ワーキングプアとは、収入水準が低く、生活していくことが困難な労働者ことを言います。一般的に年収200万以下の人が対象とされています。このワーキングプアの層は1990年代以降に急速に増えたとされています。

日本は現在、経済成長は止まり、就職氷河期が長く続いています。その理由はバブル崩壊後、企業の経営を保つためにとった人件費の削減が挙げられます。正規雇用枠は減少し、他に雇用するには非正規雇用しかなくなったのです。2018年の時点で、非正規雇用は約40%を占めています。

非正規雇用であれば短期雇用が一般的で、収入も低い上に安定しないということです。
これが、ワーキングプアを作り出している原因です。日本ではこの対策に2018年に無期転換ルールなど設けられましたが、その適用前に契約を切られる雇い止めが多発したことが大きな問題として取り上げあられました。今なお大きな変化はなく、状況は深刻化しています。

その上、周囲の理解は得られないという状況がこのワーキングプアの環境を悪化させます。
努力した分だけ生活が豊かになる時代はとっくの昔に終わっています。それなのに、生活が向上しないのは努力が足りないからだという世代が、現代社会を引っ張っています。もちろん、すべてのその世代の人がという訳ではありませんが、そのような風潮がまだまだ残っている社会です。

一生懸命やっているのに、生活は少しも豊かにならない。そして、周囲からはもっと頑張れと言われる。このような状況がワーキングプアの状況を悪化させ、生きる気力を失なわせる原因になっています。

将来に希望が持てない人の豊かさの誤解

将来に希望が持てない2つ目の理由は、豊かさの誤解を招いたからです。この原因は、物質的な豊かさばかりが目立った環境で育ったためなのです。

将来に希望が持てない人は、若い世代に増えています。現在中高年にあたる世代の若い頃といえば、希望に満ち溢れ、がむしゃらに働き、目標に向かっていた時代であったはずです。しかし、現代は、そうではありません。

これはなぜかというと、物質的な豊かさばかりが目立ったからです。現代の生活には、不自由がありません。食べ物に困ることもなければ、寝るところにも困ることは通常ありません。それどころか、個人単位にインターネットの環境があり、欲しいものは大体なんでも自宅に届けることができる。家族、友人、中には仕事関係の連絡もいつでも取れるという時代です。

他にもあげればきりがありませんが、現代は物質的にすでに満たされていて、さらに生活は急速化、効率化されようとしています。これは何も悪いことではありませんが、このように物質的な豊かさの中で、精神的豊かさを失っていることが問題なのです。

特に小さい頃から物質的に豊かで、生活が急速化、効率化された環境の中で育った人は、精神的な豊かさを得る機会が少なくなっています。

家庭では会話は減り、メールやメッセージでのやり取りが増えています。共働きをする家族であれば、さらに会話は減ります。公共の場では、他人は他人であり、そこに会話は生まれず、みながスマホを片手にプライベートの殻に閉じこもったきりという状況です。

こういった状況は、家族が一緒でなくても、友人が一緒でなくてもよく、他人と関わらなくてもよくなった生活をつくり、対人関係の希薄化とつながりました。そして、これも急速化、効率化が原因なのです。

しかし、精神的豊かさとは、対人関係において育まれるものであって、物質から育まれるものではありません。小さい頃からこのような環境で育った人は、精神的豊かさが欠けたままで大人になっているということなのです。大人でさえも現在の状況に、精神的豊かさを失ってきているほどです。

精神的豊かさが欠けていれば、アイデンティティの問題に発展します。つまり、簡単に言えば自己喪失などで、自分自身に自信が持てなくなるということなのです。

精神的貧困を抱えたままで、大人になっても自立しなければいけません。しかし、社会に出れば耐久力がないとか、持続できないとか、弱いとかと貶される羽目になってしまうのです。それでは自尊心も傷つきっぱなしなのです。その上対人関係の気迫さが元で、相談をすることもできません。

自立して生きていくためには、精神的豊かさを経験していなければいけません。満たされたという感覚が足りなければ、何をやっても満たされないように思えて、希望が持てなくなるのです。

大人に必要な将来に希望が持てない人への理解

ここまでに、将来に希望が持てなくなる人の理由を2つ挙げましたが、このどちらも誰のせいというわけではありません。しかし、子供を育てていく大人が気付き、子供を育てていく環境を変えなければ、この問題を変えることはできません。

そのためにはまず大人が、意識を変えるべきなのです。たとえば努力万歳のやり方という固定観念を捨てることだったり、目先のものに捕らわれて、生活する本質を忘れてはいけないことだったりと、次の世代を育てていく大人が真っ先に気づくべきなのです。

すでに、将来に希望が持てないまま過ごしている人たちは大勢ます。

例えば、生活も精神的にも苦しくなっていれば、支援団体を紹介したり、生活保護だってあるのです。こういった例えを出すと、決まってそんなのは甘えているという大人がいますが、時代は変わったのです。理解も示さずに否定することはやめていただきたいものです。

私たち大人が、この問題に対して理解をしなくては、問題はどんどん悪化します。私たち大人が、ことの深刻さを十分に理解し、将来に希望を持てなくなった人たちの後押しをすることが必要なのです。

将来に希望が持てない 2つの理由と対策のまとめ

将来に希望が持てない 2つの理由と対策のまとめは以下になります。

・将来に希望が持てない理由は時代
・将来に希望が持てない人の豊かさの誤解
・大人に必要な将来に希望が持てない人への理解

将来に希望が持てない人は生活も精神的にも苦しいはずです。そしてこういった人はどんどん増えています。特に、これから社会で活躍するという若い世代に、将来に希望が持てない人が増えていることはとても心苦しいものです。この状況を変えるためには、まず最初に周囲の理解が必要なのです。

YOSHIKA YAMASAKI

マルチクリエイターとして活動。幼い頃から表現の世界に足を踏み入れ、それは、写真、絵画、詩をまたぎ、人間の深層心理までをも引きずり込んだ表現意欲を探り続ける旅となる。地図を持たない自由な旅を国内外問わず続け、人の多様性を学び、自然を学び、自らの表現の糧とする。自由奔放な発想で、大手外資系企業との経歴も抱えながらも、現在は表現者として、人と人の関係、ひいては、人と自然の関係を探る旅を再開している。

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