ここまで書いことを、あなたが丁寧に実践してくれれば、あなたの未来の扉を開けてくれる鍵は見つかる。扉を開ける鍵を見つけたら、あとは、その鍵を使って、未来の扉を開けるだけだ。ただ、未来の扉は、鍵を見つけても、扉が開くまでは、時間が掛かることを覚えておいてほしい。
本書で書いている鍵は、あなたが何をすれば、目的を成し遂げられるのか?というものになる。つまり、鍵は、あなたの目的を成し遂げるための行動方針とも言える。なので、あなたが、鍵を見つけたからと言って、すぐに扉が開くわけではない。せっかく未来の扉をあける鍵を見つけても、行動を継続できずに、失敗に終わる人は、非常に多い。
なぜ、多くの人は、未来の扉を開く鍵を持っているにも関わらず、継続できずに失敗に終わってしまうのか?これは『扉が開くまでは、時間が掛かる』ということを、頭で理解していても、受け入れられていないからだ。もしくは、結果に過度な期待をしているから継続することができない。
本書で書いたように、正しい努力で最短ルートを辿っても、それ相応の時間は必要になる。それを、しっかりと受け入れていないから、すぐに結果が出ないと諦めたり、愚痴をこぼしてしまう。だから、扉を開けるのには、時間が掛かるということを、頭で理解するだけではなく、しっかりと受け入れなければいけない。
マザーハウスの創始者山口氏も、例外ではない。山口氏が、目的を明確にしてから、事業経営と社会貢献を結びつける手段を確立するのにも、何年という時間が掛かっている。目的を掲げる前にも、相当な時間を使い、手段を模索していたともインタビューでは語っている。
また、山口氏は「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げて、現地の職人とコミュニケーションをとって仕事をしているが、他国の職人にマザーハウスの理念を理解して貰うために、何ヶ月もかけて、職人の仕事を理解するようにして、職人からの信頼を獲得している。それまでは、現地の職人と仕事をすることも、できなかった。このように、マザーハウスは、継続することで、社会的大きな問題である、貧困問題に変化を起こしている。
山口氏は多くの苦労をされて、現在の地位を築いているわけだが、この職人の信頼関係からも『扉が開くまでは、時間が掛かる』ということが分かる。山口氏からすれば、この職人に仕事を依頼したい、そうすれば未来の扉は開けるという確信があるはずだ。しかし、その職人に仕事を請けてもらうまでに、数ヶ月もの時間を要している。
これが、すぐに結果が得られると誤解していれば、せっかく、未来の扉をあける鍵を見つけても、その扉を開くことはできない。
本章では、結果を掴むための鍵集めが、努力であり、効率的に鍵を集める知恵を伝えてきた。ここまで読んだ、あなたは、どうすれば効率的に鍵が集められるか分かったはずだ。しかし、分かったからと言って、すぐに結果が訪れるわけではないことを覚えておこう。
鍵を見つけても、扉を開ける前に諦めてしまっては、その努力の意味はない。だから、鍵を見つけたとしても、扉を開けるまでに、時間が掛かることを、頭で理解するだけではなく、しっかりと受け入れておこう。