弱っている人ほど他者を信じてしまう

人間は感情を持つ生き物なので、生きていれば、嬉しいこともあれば、嫌なこともある。そして、嫌なことが何日も続けば、心が弱ってしまうこともある。心が弱っていると、普段は冷静に対処できることであっても、過敏に反応してしまったり、ネガティブな思考を選択してしまって、あとから後悔することも少なくない。

このように、心が弱っている状態の時は、何かに頼りたくなるのが人間ではあるが、心が弱っているときは、冷静な判断ができない。

例えば洗脳報道であれば、洗脳された著名人を、数人くらい、すぐに思い浮かべることができるだろう。その洗脳報道の内容を振り返ってみると、洗脳された著名人の心が弱っていた時期が、洗脳の発端になっている。

私は宗教を否定するつもりは、全くないが、宗教や洗脳という言葉に、敏感な日本人は多い。「なんで、宗教なんかに騙されるの?洗脳とか気持ち悪いから」このような意見は、日本人であれば誰でも、1度は耳にしたことがあるだろう。

ただ、心が弱っている状態で「ずっと抱えている悩みはすぐに解決する。私たちなら、現在の悩みから解放することができる」と言われれば、そこに飛び込みたい気持ちは、誰もがもっている。だから、洗脳は無くならないし、存在する。そして、洗脳された人は、金銭、時間などを、その団体に費やすことになる。

他にも、詐欺事件はテレビ番組の特番で、よく放送される。これも「なんで詐欺師なんかに騙されるの?」という意見は多いが、高齢者で仕事を失ってしまい、数ヶ月先の生活に怯えて生活をしているなら、お金は喉から手が出るほど欲しいものだ。そこに、現状を打破できる解決策を提示されれば、誰であっても飛びつくのではないだろうか?

このように心が弱っていると、人間は何かに頼りたくなってしまう生き物だ。これは人間は感情がある生き物だから仕方がない。そして、心が弱っていれば、冷静な判断をすることができない。その結果、何か信じられるものがないか探すようになる。しかし、その結果、洗脳された人、騙されたという人はどうなった? 後悔しているに違いない。

一般的には信じることは、素敵なことだと思われているが、詐欺被害にあった人たちの、行動は正しかったのだろうか? 被害者の人たちが、綺麗な心の持ち主なのは間違いない。ただ、信じた結果、人生を狂わせているという事実もある。 そして信じた結果、損が返ってきているという事実がある。

洗脳、詐欺は自分には関係ないと思っている読者は多いだろう。しかし、人間は感情がある生き物なので、心が弱くなることは誰にだってある。あなたが日頃から、何かを信じて生きているのであれば、心が弱っている時に、騙されてしまう確率はあがるということだ。

『我慢と忍耐を魔法の言葉に変える』『信じない勇気』などの著者。コンテンツ プロデューサーとして、小さな経営の仕組みをつくる仕事をしています。年商1億規模、メルマガ読者累計4000名超え、500人を超える個人、経営者に仕組み創出コンテンツ制作、マーケティングなどを指導して現在も実力者を多数輩出。また教育事業、輸入事業、リサイクル事業の経営者でもある。

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