第2章では、努力はあなた自身が、あなたの未来のために、働きかけることが大切だと伝えた。そして、本章では、間違った努力をしないための知恵、正しい努力をするための知恵を取り上げてきた。ここまで読んで、正しい努力に、主体性は必要不可欠だということに、気付いた読者は多いだろう。しかし、あなたは、主体性と自主性の違いを、明確に理解できているだろうか?多くの人は、主体性と自主性を混合している。本書で伝えているのは、自主性ではなく、主体性を身に付けるということだ。
大人であれば自主性は、身に付けていて当然のものになる。厳しい言い方をするなら、社会人である以上、自主性がなければ、話にならない。つまり、自主性に視点を向けても、それは、大人として当たり前のことをやっているだけで、正しい努力とは言えない。
自主性を大辞林で調べると「自分の判断で行動する態度」と記載されている。主体性は「自分の意志・判断によって、自ら責任をもって行動する態度や性質」と記載されている。自主性と主体性の違いは「みずから責任をもって行動する態度や性質」という言葉があるか、ないかの違いでしかない。しかし、この小さな違いが、結果に大きな差を生むことになる。
自主性がとは、自分の判断で行動をすることを意味する。これは、やるべきことが、明確になっている状態で、他人に指示されなくても、自ら率先して、行動できることを表している。
会社員であれば、出勤時間に合わせて、自分の判断で家を出る、ノルマを達成のためセールスに力を入れる、期日までに書類を作るという行為が自主性になる。副業をしている人であれば、セミナー講師の指導のもと、自ら判断して行動することが自主性になる。
主体性とは、自ら責任をもって行動する態度や性質を意味する。これは、何をやるか明確になっていない状態でも、責任を持って、自ら考えて、行動できることを表している。
会社員であれば、上司に指示されていなくても、会社のことを考えて、改善案を提案したり、指示されていなくても、職場が汚れていれば、率先して掃除をする行為が主体性になる。副業をしている人であれば、セミナー講師の指導のもと「なぜ?これをやるべきなんだろう?」「これを効率的にするためには、どすればいいんだろう?」と、自ら責任を持って、思考、行動することが主体性になる。
主体性と自主性の違いは、自ら責任を持って思考、行動しているか?指示されていないことでも思考、行動ができているか?やるべきことが、明確になっていなくても、思考、行動はとまっていないか?ということになる。
このことから、主体性と自主性は類語であっても、自主性では、あなたの未来の扉を開けられないことは、分かって貰えただろう。あなたが、正しい努力で、明るい未来を掴みたいのであれば、主体性と自主性を、しっかりと区別して、主体性を持って、正しい努力をしていこう。